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2011.04.30
ランドローバーのパーツ食わず嫌い
RANCHO(ランチョ)、有名なショックアブソーバーのブランドだが、私はその実力を知らない。ランドローバーに取り付けられているのもよく見かける。きっとオフロードに特化した性能なのだと思う。ずっとそう認識してきた。お客さまからショックアブソーバー交換の相談を受ける場合、「ランチョはどうなんですか?」と訊ねられることもある。しかし、性能を理解していない私は、性格上「いいと思いますよ」と勧めることはできなかった。
今日、レイブリックに、ある商社から注文していたパーツが届いた。そのダンボール箱の中にランチョの新カタログが入っていた。目次でランドローバーを探し、ページを開いた。そして目を引いたのは「RS9000XL」というシリーズ。ダイヤルで減衰力調整が行えるのが特徴。一番柔らかくオフロードに向いた位置から、高速ワインディングロードに対応するようなカッチリセッティングまで9レベル調整可能なモデルである。
一番固くした場合のうたい文句は、「リバンプ側減衰力の全域を強化」。これは私の好きなセッティング。特にリジッドアクスル車には向いていると思う。バンプ(縮み)側はそれほど固くなく、リバンプ(伸び)側を固くする。このセッティングだと路面の凹凸による突き上げは少ない。しかし、リバンプ側を固くすることで、車体の揺れをサッと抑えられる。もう10年以上前のことだろうか、レイブリックでは、ビルシュタインを使ってクラシック・レンジローバーとディスカバリー・シリーズ1用に「ハイウェイ・サスペンションキット」というショックアブソーバーとコイルスプリングのセット商品を作った。ショックアブソーバーの減衰力は、まさにそんなセッティングだった。縮み側を柔らかくすることで乗り心地を確保し、伸び側を抑えることで、揺れを止める。
ランチョのRS9000XLのレベル9でそんなセッティングが実現しているのなら、是非一度試してみたくなった。これまで、ランチョを避けてきたわけではない。試すきっかけがなかっただけである。いわば食わず嫌いのようなものだ。レイブリックのデモカーの足は、BILSTEINやTERRAFIRMA製のショックアブソーバーで装備されている。足周りに不満を抱いているのはオートクラフトのデモカーのクラシック・レンジローバー。特にスタビライザーが装着されていない1990年モデルなので高速走行時には尚のこと不安を感じる。
実力はいかほどか?一度試してみたい。
[記事執筆 加藤雅俊(レイブリック創業者)]
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