STAFF NEWS スタッフニュース
2013.10.31
ランドローバーのメンテナンス燃圧
「エンジンが掛らないことが数回あった」
ある3rdレンジローバーのオーナーさまからのお申し出である。ここ数週間の間にエンジンが掛らないことが数回あったが今日は掛る。掛らなかったときは、少し時間をおいたり、何度かクランキングしたら掛った。
もちろんどこかに不具合があるのだろうが、こういうケースのトラブルシュートはその判断が非常に難しい。EFI(電子制御燃料噴射装置)のどこかに原因がある場合にはテスターの診断によって何らかのフォルトが残っていることで手がかりになる場合もある。しjかし、フューエルポンプに不具合があってエンジンが掛らない場合にはフォルトは残らない。そして実際にこの車両の場合にはフォルトは残っていなかった。
それなら、ハイ!フューエルポンプを交換しましょう!というわけにもいかない。フューエルポンプ本体が壊れているのか、フューエルポンプを回すための電気回路に接触不良などの不具合があるのか、エンジンが掛っているときにはその判断が付かない。例えば、コネクターが熱で溶けて変形しているとか、ショートした痕跡が残っているとか、目視点検で怪しいと思えるほどの箇所が見つかれば別だが。
今回は数日間車両をお預かりし、燃料回路にプレッシャーゲージを取り付けて日に何度もエンジンを掛けて試してみることにした。クランキングをしてエンジンが掛らないことが起きたら、その瞬間のプレッシャーゲージを見る。燃圧(プレッシャー)が上がっていなければポンプが回っていないことの証拠である。そして、それは3日目に朝訪れた。燃圧「0」。そしてポンプ回路に12Vの電圧がきていることを確認。アース回路も点検。
電気回路は成立しているのも関わらずポンプが回らない。つまりフューエルポンプ本体が原因!とうことになる。
さっそくフューエルポンプを交換。無事完了!
10万円以上掛るフューエルポンプを、ヤマカンで交換してみましょうか?というにもリスクがある。今回はお預かり期間中に症状が出てくれたからとても良かったケース。そして、一発で壊れてしまって出先で立ち往生しなかったことが非常にラッキーだった。
[記事執筆 加藤雅俊(レイブリック創業者)]
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