スライディングサンルーフの構造は一般的にはよく似ており、多くの場合には雨樋が付いている。今回はクラシック・レンジローバーで紹介するが他のランドローバーや他メーカーの車種でも参考にしていただけると思う。
サンルーフが閉まっている場合でもルーフパネルには完全に密着しておらず、厳密には若干の隙間が空いている。僅かな隙間なので多量の雨水が流れ込むことはないが、それでもジワジワと沁み入ってくるのは想定内のこと。そこで、その下側、サンルーフパネルとルーフパネルの隙間に沿うように雨樋が設けられている。雨樋に垂れた雨水はチューブを通って排水される。車両の傾きなどで樋が溢れないように、排水チューブは四角に設けられている。
写真はサンルーフの右前部分。直径7~8mmほどの穴が確認できる。その先はAピラーの中を通るチューブに繋がっており、チューブの出口はフロントフェンダー内にある。
決して細いチューブではないが、それでも長年の間のゴミが蓄積することで雨水の通りが悪くなり、結果として排水しきれなくなった水が頭上から落ちてくることもある。そんな時はこのチューブ内を掃除することで解決する。プシューっと圧縮エアを送ったり、ワイヤーを通したりし、最終的にはチョロチョロと水を流して確認をする。
サンルーフからの雨漏れは大掛かりな修理を要する故障よりも、意外にこんな些細なことが原因だったりする。
[記事執筆 加藤雅俊(レイブリック創業者)]