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2017.02.26
ランドローバーのパーツREBORN
「レンジローバーリボーン」、これは魅力的だ!内容は記事を読んでいただくとして(http://autoc-one.jp/news/3179744/)、ずばり価格の面から話を進めよう。
135,000ポンド。最近の為替レートで換算すると、日本円でおよそ1,900万円。この価格を高いとみるか安いとみるか。自分がその金額を出せるかどうかは別として(つまり全く出せないのだが・・・)、私はこれが1,900万円なら安いと思う。
まず、1970年代の2ドアモデルの個体、その中でもレストアベースに相応しい”良い”個体を見つけることがそもそも困難である。
仮に見つかったとしよう、そこから手を加えていくのだが、最大の問題は、交換したいと思うパーツには入手不可能なものがあるということ。修理で対応できないものは交換したい。しかし新品パーツの供給がなければ作らなければならない。
当時は適正価格で買えたパーツも、既に供給がなく、一個だけをワンオフで作ることになればコストは何倍にも何十倍にもなることもある。
今回のレンジローバーリボーンには使われていないが、一例をあげると、サイドプロテクションモール。
これは何年か前にメーカーからの供給が終了している。これに代わるものを作るとなると、樹脂を形成するための金型の設計から始める必要がある。レイブリックではそれを行っているのだが、金型制作に掛かる初期コストは、同じパーツを数多くつくることでようやく単価を下げることができるのだ。
1970年代のレンジローバーを完全レストアしようと思うと、そんな部品は何十点も出てくるだろう。
普通に考えれば1,900万円では完全レストアは非常に難しいと思う。まあまあのことろまではできると思うが、諦める部分も出てくると思う。
しかし、メーカーならそれらを作るための「型」を持っているだろうし、もしも新たに作るとしても「10台限定プロジェクト」と言っているだけあって、つまり製作費を最初から10台分として割ることで計算も立てやすいと思う。メーカーならではの技だと思う。
クラシックレンジローバーに特別な想いを抱いている私が生涯最後のクルマにするならと、まあ妄想ではあるが、そう考えるなら十分にアリなクルマだと思うわけである。仮に清水の舞台から飛び降りるつもりで問い合わせたとしても、きっと既に完売だろうな・・・。
[記事執筆 加藤雅俊(レイブリック創業者)]
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